クリニックからのお知らせ

■★帯状疱疹の治療★
帯状疱疹は高齢者を中心に増加傾向にあり、診療する機会が比較的多い疾患です。
帯状疱疹は痛みを伴いますが、一部の患者さんでは帯状疱疹後神経痛(PHN)
として痛みが長期に残ることがあり、患者さんのQOLも大きく損なわれます。
しかし、PHNに対する決定的な治療は未だなく、PHNに移行させないためにも
急性期治療は重要です。帯状疱疹の痛みには侵害受容痛と神経障害通の2種類があり
ます。急性期の痛みは主に侵害受容痛であり、ウイルス感染で生じた炎症に伴う痛み
です。一方、PHNは主に神経障害痛であり、急性期のウイルスや炎症により神経が
障害され、変性したことで生じる痛みです。PHNのリスク因子には高齢、重度の
急性期痛(夜眠れないほどの痛み)、重症の皮疹(皮疹が広範囲、糖尿病患者など)
といった因子があります。PHNを残さないためには、急性期にできるだけ早く
抗ヘルペスウイルス薬を服用し、ウイルスによる神経障害を最小限にとどめることが
最も重要です。ウイルスは神経節内で増殖するため、抗ヘルペスウイルス薬は外用のみ
では効果が得られにくく、軽症であっても経口薬で治療することが望ましいといえます。
抗ヘルペスウイルス薬に加えて、痛みに対する治療も積極的に行います侵害受容痛に
対しては、アセトアミノフェンやNSAIDsなどの鎮痛薬で痛みを抑えます。
急性期でも衣服がすれるだけで痛い、焼けるように痛い、電気が走るように痛い、痛みに
対する治療をできるだけ早く開始します。一般の急性期炎症では冷やすことが原則ですが、
帯状疱疹では温めることにより急性期の痛みを緩和し、PHNを予防することができます。
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