クリニックからのお知らせ

■★妊娠中の服薬について★
妊娠前に飲んでいたくすりは、その後の妊娠や胎児に影響することはありません。
ほとんどのくすりは、1〜2日で体外に排泄されるからです。ただし、長い期間、
からだに残っているくすりもありますので、そのようなくすりを使用する場合は、
医師から一定期間、避妊するよう指示があります。胎児の体の主な器官(神経、
心臓、消化器官、手足まど)は、妊娠初期である最終月経の開始日から28〜50日
のあいだにできあがります。それだけに、この時期は母親ののんだくすりが、胎児に
特に影響を与えやすいのです。ところがこの時期は、妊娠のごく初期にあたるために、
妊娠に気づかず、くすりをのんでしまうこともあるようです。ほとんどのくすりは、
この時期に使用しても胎児に影響を及ぼすことはありませんが、妊娠中はもちろんの
こと、妊娠の可能性のある女性は、日頃からくすりには十分に注意をしておくことが
とても大切です。では、妊娠初期を過ぎれば、くすりの影響はなくなるのかといえば、
けっしてそうではありません。とくに鎮痛薬は、妊娠後期に入ってからも影響を及ぼし
やすく、長期に使用すると母体の貧血、産前産後の出血、分娩時間の延長、難産、死産、
新生児の体重減少や死亡などの危険性が高くなる恐れがあります。このほか、高血圧
治療薬のアンジオテンシン変換酵素阻害薬を、妊娠中期以降に使うと、胎児の死亡や
出産時に重い障害が出ることがあります。最近は、情報過多の時代なのか、くすりの影響
を心配し過ぎる人をみかけます。たとえば、喘息やてんかんなどの持病があり、くすりを
のんでいた女性が、妊娠に気づいて急にやめてしまうようなケースもあります。すると、
母体がバランスをくずし、胎児まで危険な状態におちいることがあります。いずれにしても
妊娠がわかった時点で医師や薬剤師に相談し、影響の少ないくすりを使うといった方法が
必要です。おなかの赤ちゃんにとっては、母体の健康こそがもっとも大切なものなのです。
妊娠を予定している場合も、あらかじめ相談をしておきましょう。

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