クリニックからのお知らせ

■うつ病?
「疲れているだけ、でもぐっすり眠れない」自分でも気づきにくい初期症状

うつ病は、自分ではなかなか気づきにくい病気です。
多くの場合、初期には、気分の落ち込みや憂うつといった精神状態よりも、身体症状が先にあらわれます。
その典型的なものは「ぐっすり眠れない」「食欲がない」「疲れやすい」の3つ。
しかしこれらのサインがあっても、多くの患者さんは「肝臓が悪いのでは」「過労かもしれない」と考えがちです。
未治療のまま進行すると、頭痛や異常な発汗という症状が出はじめ、やがて気持ちの面に
変化があらわれます。朝、起きても仕事をするぞ、という意欲がわかず、エンジンがかからない。
新聞は大見出し程度しか読めず、すぐに疲れてしまう。仕事には集中できず、そのために
能率が下がり、疲労感が強い。楽しみだった仲間との昼食や、飲み会に行く気力がわかず、
無理に行っても楽しむことができず、かえって気持ちが重くなる。
これらは働く人のうつ病にみられる典型的な症状です。さらに進行したうつ病では、仕事が手につかず、
デスクの上の書斎をぼんやりとただながめるのみに。休日は、外出することができず、
自宅で横になって過ごすことが多くなります。否定的な考えが脳裏をめぐり、
夜も眠れずに悩み苦しみます。そんな毎日でも、患者さんは
「周囲に迷惑をかけるから、会社を休んではいけない」という一心から勤務を続けます。
やがて、無理を重ねるうち、責任感にさいなまれながらも、体が動かなくなってしまいます。
うつ病の進行には個人差がありますが、放置すると数ヵ月〜1年程度かけて、重いうつ病に進行する可能性もあります。
昨今「こころの風邪」と呼ばれるうつ病ですが、この言葉は適切ではありません。患者さんは、昼夜の別なく否定的な発想に悩まされながら、
そんな自分への腹立ちや苦しさから逃れるために、自殺を試みる場合もでてきます。
うつ病は生命にかかわるリスクをもった病気ですが、早期受診・早期治療によって、重病化を経験でき、その結果、治療期間の短縮も期待できます。
また、休職期間が短ければ、その後社会復帰をする場合にも、復帰への
負担が軽くなることが予想されます。
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