クリニックからのお知らせ

■★薬物アレルギー★
人間には、自分の細胞と外から侵入した異物とを区別し、異物を排除しようとする
免疫機能が備わっています。しかし、この免疫機能が過度に反応すると、時には
人体にとって有害な症状を起こします。これをアレルギーといいます。原因となる物質
(アレルゲン)はダニ、花粉、ペットの毛、食物などさまざまですが、くすりも人に
よってはアレルゲンとなる場合があります。いまや、国民の3割が花粉症といわれ、
これにダニやハウスダストによる喘息、食べ物・化学物質による皮膚疾患なども加えると、
アレルギー疾患の患者は2人1人にものぼります。現代はまさにアレルギー時代と呼べる
ほどです。くすりによるアレルギーの典型的なものとして、過去に注目されたのは、
ペニシリン・ショックでした。死亡例まで出たことから、大きな問題となりました。
その後、ショックの発生頻度は低下していますが、現在でも抗菌薬や解熱鎮痛薬などは、
アレルギーを起こす可能性があるくすりとして知られています。くすりによるアレルギー
には、注射によって突然ショック状態を起こす例もありますが、その多くはくすりを続けて
使ううちに起こる湿疹やかゆみ、めまい、耳鳴りといった軽症から始まります。
初めは軽症に見えても重病化するものもありますので、すぐに医師・薬剤師に相談する
ことが大切です。その時点でくすりの使用をやめると、ほとんどの場合、アレルギーも治まり
ます。もう一つ大切なことは、たとえ軽症であってもアレルギーを起こしたくすりの名前を
おくすり手帳に記録しておき、次に病院にかかった時に、かならず医師に伝え、そのくすりが
再び処方されないように注意することです。
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