クリニックからのお知らせ

■ガムにも一定の効果
最近は、歯の健康への関心が高まり、良いことだと思う。
歯磨き励行が普及し、以前と比較して歯および歯肉が
きれいな人が多くなってきたと感じる。虫歯および歯周病予防の観点からも、
引き続きこのような状態を維持してもらいたい。
そこで今回は、虫歯予防の観点からガムの効果について触れてみたい。
ガムをかむことによる虫歯の抑制は、唾液分泌と関係している。
唾液には、租借や消化や飲み込みを助ける作用、汚れを洗い流す作用、
口の中の細菌が作る酸を中和する作用、酸によって溶けかけた歯をもとに戻す作用などがある。
簡単に言うと、唾液は食物を分解し消化しやすくして、口の中をきれいにし、
歯を守る働きがある。逆に唾液が少なくなると口の中が乾いて、
口の中に細菌が繁殖しやすくなってしまう。歯垢は歯についた細菌の塊で、
むし歯や歯周病の原因となる。ガムをかむことは唾液の分泌を促進し、
むし歯を発生しにくくするが、残念ながらガムは歯磨きの代用にならない。
しかし食後にゆっくりと長い時間をかけてガムをかみ続けることは、
空腹感を抑える働きもあるとされている。この点は、最近いわれているかむことの大切さと同じだ。
加えて、かむことは咀嚼筋や顔の筋肉のよい刺激となる。

最近のガムは、砂糖の代わりにキシリトールを配合したものが多い。砂糖は虫歯の原因菌である
ミュータンス菌の餌となる酸を作り、ネバネバのもととなり、虫歯を促進させる。
キシリトールは、ミュータンス菌の餌にならないので、虫歯の原因にはならない。
また、キシリトールは砂糖と同等の甘さがあり、唾液の分泌を促進する作用がある。
キシリトールを配合したガムが有効なのは確かだが、過度の期待はせずに、
虫歯予防の基本である正しい歯の磨きと食生活を心がけたい。
歯磨きをしないでガムだけかんでいても、むし歯予防にはならないことを力説しておきたい。
また、いくら歯に良くても、ガムをかむことにもマナーがある。
公共の場所や飲食が禁止されている場所では控え、かんだあとは紙に包んで捨てるマナーを守ってほしい。
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