クリニックからのお知らせ

■★経鼻内視鏡★
経鼻内視鏡は挿入時に舌根部や下咽頭後壁に内視鏡が接触しないため、
嘔吐反射を著明に軽減できる。このことは経鼻内視鏡のもっとも重要かつ
メリットであるともいえる。また、嘔吐反射が少ないために通過ルートである
咽喉頭を詳細に観察することも可能である。検査中に会話も可能で、被験者の
緊張緩和に有効である。内視鏡が咽頭や食道を通過する際の嘔吐反射や異物感、
息苦しさによる交感神経刺激のための心負荷、およびスコープ挿入時に唾液が
貯留するためと考えられる低酸素状態も経鼻内視鏡検査時には誘発されにくく、
経鼻内視鏡は心肺機能への影響が少ないことも報告されている。さらに、
高齢者およびハイリスクの患者においても経口内視鏡に比して、とくに呼吸機能
への影響が少ない、また咽頭麻酔を行わず鼻腔麻酔のみで検査可能で、経口内視鏡
使用時に比べ、とくに高齢者での検査中・後の誤嚥防止も期待できる。経鼻内視鏡は、
蠕動運動も誘発しにくいために鎮痙薬を必ずしも必要とせず、鎮静薬や鎮痛薬の使用も
不要であり、表面麻酔薬の使用量も少量化できる。これらのことは薬剤使用による
偶発症防止の面から、安全性を向上させる要因の一つである。しかしながら、細径化
による画質の低下、送気・送水能力の低下といった性能面でのデメリットも理解して
おく必要がある。経鼻内視鏡のデメリットを十分に理解し、丁寧な近接観察や
低濃度色素布を併用するなど、診断能を落とさない術者の工夫と心がけが重要である。
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