クリニックからのお知らせ

■★食中毒に注意★
日本の生食を好む文化は珍しいようです。しかしそこには食中毒という危険が潜んでいます。
食中毒とは食品、添加物、器具、又は容器包装にふくまれた又は付着した細菌、
ウイルスなどの微生物、化学物質、自然毒等を摂取することによって起きる下痢、嘔吐や
発熱などの健康被害のことです。平成27年に食品衛生法に基づいて届けだされた食中毒は
1202件、患者数は22718人で、人口10万人あたり17.9人が罹患しています。
しかし届け出されず原因を特定されないものを含めるとこの数十倍になると考えられています。
私たちの生活様式の変化に伴い食中毒の原因は変化し1990年代前半までその大半が
腸炎ビブリオ、サルモネラ、黄色ブドウ球菌などが主体でしたが、最近はキャンピオバクター、
ノロウイルス、サルモネラが主体となっています。その他、病原性大腸菌や黄色ブドウ球菌、
ウェルシュ菌などが原因になることがあります。食中毒の原因菌はどこにでも存在しており、
家畜や鶏の腸管内にはキャンピロバクターやサルモネラ、牛の腸管には病原性大腸菌、海水や
海中の泥には腸炎ビブリオ、下水、河川、海、耕地などの土壌にはウェルシュ菌が存在して
います。また調理者の手指や鼻前庭には黄色ブドウ球菌が常在しています。好発時期は、
ノロウイルスが冬季に多いため2極化していますが、細菌性食中毒は夏季に多くこれから
注意を要する時期になります。菌は高温多湿を好むため、夏季は食中毒菌が増殖するのに
とても良い環境であり、少数の菌が短期間に食中毒をおこしうる菌数に増殖しやすくなります。
魚や肉といった生鮮食材は鮮度が良いでも”活”でも、食中毒菌、ウイルスがわずかにでも
付着していれば食中毒を発症する危険があるということです。
Topページに戻る