ｸﾘﾆｯｸからのお知らせ
■★イレウス★
食物が腸を通過する働きが何らかの理由で、内容物が腸の中に充満する状態を、イレウス、
または腸閉塞といいます。原因は腸管の器質的な変化によって腸管の内側が狭くなったり、
ふさがってしまうものを機械的にイレウス。腸管に器質的な変化がなく、腸管の一部が動かず
内容物が停滞してしまうものを機能的にイレウスといいます。機会的イレウスの原因は、
腹部手術を受けた後に起こる腹壁と腸管や腸管同士の癒着によるものが一番多く、
大腸がんにより大腸がふさがれて起こるイレウスも高齢者ではよくみられます。恐ろしいのは、
腸管とともに腸管に血液を送っている腸間膜が締め付けられるなどして起こる絞扼性イレウスで、
緊急手術が必要になります。機能的イレウスは、腹膜炎による炎症や、神経衰弱やヒステリーなど
神経性のもの、薬物中毒などが原因になります。症状は腹痛や嘔吐、腹部膨満などです。吐しゃ物は、
胆汁が混じるために緑色になります。腹痛は軽い痛みから、七転八倒の痛みまでさまざまです。
検査は、血液検査：白血球や電解質の量から、炎症の有無などをみます。腹部単純エックス線検査
：イレウスでは、特徴的なエックス線像が写ります。超音波検査、ＣＴ検査：拡張した腸管と、腸管壁の
肥厚、腹水などを確認します。治療は、イレウスと診断された場合は、まず入院して脱水状態の改善のために
輸液を行います。次に、鼻からイレウス管と呼ばれる長い管を小腸まで入れて、腸管内の腸液やガスを
排出します。こうした保存的治療を行っても症状が改善しない場合は、手術が必要になります。絞扼性イレウス
の場合は、放っておくと腸管自体が壊死を起こし、命にもかかわるため、緊急手術が必要です。