クリニックからのお知らせ

■★虚血性大腸炎★
虚血性大腸炎は、腸管膜動脈などの器質的閉鎖を伴わない粘膜灌流不全による。
腸間膜動脈閉塞感など、血管造影レベルで異常のみられるものは別の疾患概念
となる。

好発年齢は、以前は高齢者に多いと考えられたが、現在では、10歳代を
はじめとする若年者から高齢者までみられる。一般に女性に多い、これは便秘など
の誘因が多いことと関係があると言われている。血管炎、放射性障害、アミロイドー
シス、膠原病、一部の感染性腸炎(O-157腸炎など)などで、二次的な粘膜虚血の結果、
本症類似の病態を呈することがある。宿便潰瘍、閉塞性大腸炎なども粘膜虚血が関与して
いるといわれている。


典型例では、突然の腹痛と下痢・下血という病歴がキーポイントであり、典型例では、
病歴でほぼ診断が可能である。一過性型(特に基礎疾患をもたない若年例)では、
無治療でも速やかに炎症ならびに潰瘍が治癒していくことが多く、検査が遅れると
病変が消失していることがある。速やかな内視鏡検査が確定診断に最も有効(一過性型
や軽症例では、数日で所見が消失)である。外来で浣腸のみ(下痢の強いときは無処置でも
よい)で観察する。好発部位はS状結腸から下行結腸にかけてであり、必ずしも全大腸を
観察する必要はない。

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