クリニックからのお知らせ

■★過敏性腸症候群★
過敏性腸症候群とは、腹痛と便通異常が慢性に持続する機能的疾患である。
主要文明国の人口の約10〜15%と高頻度である。良性疾患であるが、
患者の生活の質(QOL)を障害することから、適切なケアを必要とする。
発症機序は不明である。病態生理として、中枢機能と消化管機能の関連
(脳腸相関)が重視されている。脳腸相関の詳細は?消化管運動の異常、
?消化管知覚過敏、?心理的異常、?心理的異常の3つである。消化管運動の
異常は、大腸の分節運動の亢進、小腸の異常運動であり、ストレス飲物、消化管
運動賊活薬などの刺激により誘発され、睡眠下などの弛緩時には生じにくい。
消化管知覚過敏は、大腸にバルーンを挿入し、伸展刺激を加えると、健常人より
弱い刺激で知覚が生じ、また、痛覚の程度が健常人よりも強い。心理異常は、
抑うつ、不安、身体化に代表される。厚生労働省IBS診断治療ガイドラインに
沿うと効率的である。検査の必要性ならびに組み合わせは、個々の症例により
異なる。しかし、器質的疾患を見逃さないため、血液生化学検査、末梢血球数、
炎症反応、尿一般検査、便潜血検査、大腸造影検査もしくは大腸内視鏡検査を
する必要がある。
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