クリニックからのお知らせ

■★Barrett食道★
Barrett食道とは、下部食道の扁平上皮が不完全型の腸上皮化生を有する円柱上皮に
置き換えられた状態を示す。下部食道の円柱上皮部の長さが3cm以上のものを
LSBEと呼ぶ。それ以外のものをSSBEと呼ぶ。頻度は、胃体部皺壁の上端を
境界とする欧米では人口の1%前後に、食道下部を縦走する柵状血管網の下端を境界
とする日本では内視鏡検査例の10〜20%に発見される。
病的胃食道逆流がBarrett食道を合併しない高度の逆流性食道炎、逆流性食道炎のない
Barrett食道も多く、発生機序がすべて解明されているわけではない。
定期的な内視鏡検査による検診が広く行われている日本では、無症状で内視鏡検査を受け、
たまたま発見されることが多い。症状がある場合には、逆流性食道炎例の症状と差はなく
胸焼けを主訴とする。Barrett食道は年間0.5%程度の癌の発生があり、食道腺癌となる。
無症状で、Barrett食道の内視鏡生検でdysplasiaが認められないとき、経過観察のみが
必要で積極的な治療は行われない。有症状(胸焼けなど)でBarrett食道粘膜にdysplasia
が認められないとき、逆流症としてプロトポンプ阻害薬(PPI)の投与が行われる。
逆流性食道炎やBarrett潰瘍を認めるときもPPIの投与を行う。
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