クリニックからのお知らせ

■★機能性dyspepsia★
機能性dyspepsia(FD)とは、器質的疾患がない上腹部の腹痛、または腹部不快感
などの不定愁訴群のことである。その病態は、上部消化管の機能異常で、運動機能
の異常と感覚機能の異常よりなる。胃排出の遅延、胃の拡張不良、迷走神経緊張の
低下、胃の伸展や胃酸に対する過敏性などが考えられている。しかし、FDのうちに、
胃排出低下を認めるのは約40〜60%に限られ、胃排出遅延と症状が必ずしも相関しない。
精神的ストレス・心身症も原因として重要であり、ヘリコバクター・ピロリ菌感染の
関係も注目されている。症状として、上部消化管症状として胃部不快感、腹部膨満感、
易満腹感、鼓腸、胸焼け、食欲不振、悪心・嘔吐、げっぷ、放屁などがあげられる。
酸分泌抑制薬や運動機能改善薬の投与で症状が緩和される例がある。症状には、反復性や
季節性がみられることがある。除外診断が唯一の診断法である。種々の検査にて器質的
疾患を除外し、次に運動機能の異常を検索する。器質的疾患が除外され、運動機能異常が
認められないときには、精神的要素の関与を考える。

検査

・上部消化管、膵胆道を除外するため、血液検査、便潜血反応、
X腺・内視鏡検査、腹部超音波検査、CT検査。
・上部消化管機能検査として胃排出能検査
・H.pyloriのテスト、精神的テスト

治療は薬物による対症療法が主体となるが、必ずしも必要ではない。
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