クリニックからのお知らせ

■★Mallory-Weiss★
Mallory-Weiss症候群とは、強い嘔吐に伴って食道・胃接合部に粘膜裂傷が
生じる病態で、急性上部消化管出血の原因となる代表的疾患である。
頻度は、急性上部消化管出血例の4〜14%にみられる。男性は60〜80%と多く
40〜60歳代に多い。悪心・嘔吐時に腹圧が急上昇することにより、胃噴門が
食道側へ急激に脱出し食道・胃接合部に粘膜裂傷が生じる。飲酒が契機となる
症例もあるが、咳、妊娠など腹圧の急激な上昇をきたすあらゆる
原因で起こる。前駆症状がなく、突然、強い吐き気とともに大量の出血をきたすのが
臨床的特長である。緊急内視鏡検査で容易に診断される。通常、胃小彎側から食道・
胃接合部にわたって長軸な粘膜裂傷が観察される。ほとんどの症例が単一の裂傷であり
(80%)、裂傷の長さは0.5〜5cmまでである。食道裂孔ヘルニアがある症例
では病変が胃側に変位する。Mallory-Weiss症候群による出血は90%の症例で自然
止血する。しかしながら、大量の新鮮出血が認められる場合には内視鏡的止血が
第一選択となる。内視鏡的止血術には、クリッピング、高周波凝固、エピネフリンや
エタノール局注、ヒータープローブ、結紮など、多くの方法がある。
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