クリニックからのお知らせ

■★MALTリンパ腫★
MALTリンパ腫は、1983年にIsaacsonらが、リンパ節以外の主として
粘膜系に発生し、比較的良好で、小型のBリンパ球や成熟した形質細胞からなる
腫瘍性病変に対して命名したものである。MALTリンパ腫は消化管では胃に最も
多いが、それはその多くがヘリコバクター・ピロリ菌感染によっているからである。
胃以外の消化管の発症きわめて少ない。MALTリンパ腫は消化管のリンパ腫中で
最も多いが特徴的な症状はない。一般的な消化管症状を訴えることがあるが、
むしろ無症状のほうが多いので注意が必要である。MALTリンパ腫の診断は内視鏡と
病理検査によって行われる。H.pylori陽性の場合は、結局は除菌が第一選択となる。
胃MALTリンパ腫でH.pylori陽性の場合は除菌療法を行うが除菌方法は消化性潰瘍の
場合と同じである。H.pylori陰性MALTリンパ腫の場合も一度除菌療法を試みてもよい。
H.pylori除菌を行っても治癒しない例、H.pylori陰性例については、放射線療法化学療法、
または外科手術を行う。H.pylori陽性のMALTリンパ腫の80〜90%は除菌で
治癒するが除菌で治癒しない例、およびH.pylori陰性リンパ腫例の予後
も良好である。MALTリンパ腫は悪性リンパ腫とは異なり、予後が基本的に良好で
あることを患者に伝える必要がある。
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