クリニックからのお知らせ

■ ★破傷風★

破傷風の国内発生は減少しているが、発展途上国では現在でも多くの患者が
発生している。発症すると致死率の高い疾患であるので、予防接種を適切に
行うことが重要である。破傷風菌は土壌や動物の糞便中など環境中に広く存在
する偏性嫌気性グラム陽性桿菌である。潜伏期は3~21日程度(多くは8日
以内)である。典型的には痙笑、開口障害、嚥下困難など主に頭頸部の筋強直から
始まり、全身けいれん、呼吸困難、交感神経過緊張などの全身症状に移行していく。
初期症状としては開口障害が最多で、半数以上の患者に認められる。高体温、頻脈、
高血圧などの交感神経症状は第2病週に出現することが多い。外傷歴、予防接種歴、
破傷風特有な症状(開口障害など)から臨床的に診断する。創部から破傷風菌が
検出されることはまれである。ほとんどの症例では抗破傷風毒素抗体は検出感度以下
である。
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