クリニックからのお知らせ

■ ★急性上気道炎★
急性上気道炎は罹患率が高い疾患で、小児は年間5~6回、成人でも2~3回罹患する。
急性上気道炎は、ライノウイルス、コロナウイルス、アデノウイルス、RSウイルスなどの
ウイルスによってもたらされる。細菌が本症の原因となることは少なく、肺炎球菌や
インフルエンザ菌、モラクセラ・カタラーリス、A群β溶血性レンサ球菌は二次感染症として
急性鼻副鼻腔炎や急性扁桃腺を起こす。急性上気道炎は2~5日の潜伏期間をおいて発症し、
徐々に憎悪することが多く、それが急激に発症し進行するインフルエンザとの鑑別点となる。
急性上気道炎では粘膜の発赤や腫張、分泌亢進など、びまん性のカタル性炎症を認め、限局する
局所性の粘膜病変は少ない。したがって、上気道の各部位を丁寧に観察し、アレルギー性鼻炎や
急性扁桃腺、急性喉頭蓋炎などの典型的な所見を呈する疾患を除外することが重要となる。
急性上気道炎はウイルス感染で、1週以内に自然治癒するため、抗菌薬は無効であり、自宅療養
で経過をみるだけでよい。しかし、39度以上の発熱、黄色や緑の鼻汁、激しい咽頭痛や咳嗽がある
場合には医療機関を受診することが推奨されており、このような症例では適切な対処療法、そして
急性喉頭蓋炎などの二次細菌感染症の鑑別が必要となる。
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