クリニックからのお知らせ

■高齢者の貧血注意?
*薬が原因の場合も

鉄不足からだけでなく、ほかの疾患や治療薬がもとになる貧血も多い。
因果関係は分かっていないが、鉄不足による貧血なのに、
鉄を補う薬を与えても改善しない場合、胃のピロリ菌を除去すると貧血軽減する場合がある
また、リウマチの人が腰の痛み止め薬を飲むことで胃を悪くし、出血がじわじわ進むと鉄が失われる。
ワルファリンやバイアスピリンといった血流を良くする薬でも、
血が止まりにくく、出血をきっかけに貧血を起こすことがある
胃がんなどで胃を切除した後に気をつけたいのは、ビタミンB12不足による貧血。
ビタミンB12は血液細胞など細胞分裂に必要だが、胃が無いと腸で吸収されるまでの間、
ビタミンを保護することができない。5年ぐらい経て現れることが多く、気づきにくい。
年をとれば造血の機能は少しずつ下がるが、原因は様々。時には白血病になる前の状態のこともあり、
単に老人性貧血と片付けないでほしい。生活の質を上げるためにも貧血改善は大切だ。

*吸収劣る植物性

さらに、栄養状態を見る血清アルブミン値と貧血の状態を比べると、
肉や魚、卵などの動物性たんぱく質を毎日食べるようにした後には、
アルブミン値の増加に比例し、ヘモグロビン値も改善する。
老化はたんぱく質が体から抜け出ていく現象。食事でたんぱく質を補うことが重要で、
高齢者に多い野菜と炭水化物中心の粗食信奉は栄養不足の原因となり、老化を早める
高齢者は豆腐などあっさりした食事を好みがちだが、たんぱく質は肉や魚といった動物性食品からとってほしい。
植物性食品の鉄が非ヘム鉄と呼ぶ吸収しにくい鉄なのに対し、
動物性はヘム鉄という吸収しやすい形の鉄分が含まれており、少量でも効果が期待できるからだ。

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