クリニックからのお知らせ
■カルシウムは若いうちから
若いときからダイエットに一生懸命になるあまりに、
1食抜いたり小食がちになったりする女性がいる。
こうなると、必要な栄養、特にカルシウムが不足する。
若いうちはカルシウム不足にはあまり気がつかないが、
20歳くらいまでの成長期は骨が形成される時期でもあるから、
若いときのカルシウム不足は年齢を重ねてくると、きいてくる。
骨折の原因になる骨粗しょう症になる恐れが大きい。
骨粗しょう症は骨がすかすかになり、もろくなる病気だ。
骨もご多分に漏れずに代謝をし、常に新しいものになる。
骨吸収(古い骨を溶かす)と骨形成(骨を修復し、新しい骨を作る)を繰り返す。
そこでカルシウムが重要な働きをする。
加齢とともに腸からのカルシウムの吸収が悪くなり、骨量が低下してくる。
ほぼ30歳代半ばに骨量がピークになり、年をとるにしたがって下がってくる。
とくに、女性ホルモンのエストロゲンは骨吸収を遅くする働きがあり、
分泌されないか分泌が少ないと、骨の破壊の速度が速まる。
女性には女性ホルモンの分泌が低下する閉経があるので、この時期を境に骨量の
低下の速度は増し、骨粗しょう症になる率もあがる。
2009年に出た論文によると、50歳代後半から女性の骨粗しょう症の有病率
は男性の2倍以上。骨粗しょう症に悩む人は70歳以上の女性のほぼ半分で、
日本では少なくとも男女合わせて1100万人の患者がいると推定する。
骨粗しょう症は骨折の主要因で、65歳以上になると、ちょっと転んでも骨折
し寝たきりになりがち。要介護要因として多いのは「脳卒中」「認知症」「老衰」「関節疾患」
に次いで「骨折・転倒」だった。このすべての背景に
骨粗しょう症があるというわけではないが……。
若いときからカルシウムの摂取を心がければ骨粗しょう症は予防できる。
骨の代謝を考えると、カルシウムの必要量は約600ミリグラムで、
成長期は少し多めにとってもよい。多く含む食品は、豆腐やごま、
大根、牛乳などの乳製品、めざしなどの小魚。
喫煙は腸からのカルシウムの吸収を妨げることがあるから避けたい。