クリニックからのお知らせ

■DHAやEPA:魚成分、上手に摂取しましょう。
DHAやEPA:魚成分、上手に摂取しましょう。
食べ物に含まれる脂質、つまり「油」には様々な種類があり、
動物性脂肪に多い飽和脂肪酸と、大豆油やオリーブ油など植物油に多い
不飽和脂肪酸に大別される。EPAやDHAはいずれも不飽和脂肪酸の仲間である。
人間はこのタイプの油を体内で合成できないので、食物を通じて摂取する必要がある。
EPAとDHAに共通する機能としては、いわゆる血液をサラサラにする効果がある。
EPAなどが血液中の赤血球の表面の膜を軟らかくすることで血球が
様々な形に変形しやすくなる。毛細血管のような狭いところでも血液がスムーズに流れるようになる。
また、血液中のコレステロール値や中性脂肪値を下げ、
動脈硬化や心臓病などの生活習慣病の予防に効果があるとされる。
花粉症などアレルギー疾患の症状を緩和する効果も最近は注目されている。
DHAにあってEPAにはない機能として代表的なものは、
脳や目などの神経組織の働きを改善する効果だ。EPAもDHAも構造はよく似ているが、
脳への入り口である脳関門を通過できるのがDHAだけと考えられている。
DHAによる脳機能の維持・改善の働きは疫学調査で確認されつつある。
高齢者を対象にした認知症予防の研究を実施。
DHAの成分を高めた魚肉ソーセージを1日2本ずつ食べてもらった。
オリーブ油入りのソーセージを食べたグループと比較して、
認知機能や記憶力のテストで高い成績が得られた。「認知症予防の可能性が示唆された」としている。
日本人の食生活は欧米化が進み魚をあまり食べなくなったため、EPAやDHAの摂取量は減り気味だ。
厚生労働省はEPAとDHAを合計で1日1グラム以上摂取するよう推奨している。
実際の日本人の摂取量は40代の男性で、約0・3グラム、同女性で約0・2グラムとなっている。
EPAもDHAも青魚に多いとされるが、魚介類の種類によって違いもある。EPAがたくさん含まれる
魚の代表はイワシで、サバやサンマも豊富だ。
これに対してDHAは、マグロなどに多く含まれる。赤身と比べトロに特に多い。
同じ本マグロでもトロ100グラムにはDHAが約3グラムあるのに対して、赤身だと約0・1グラムにとどまる。

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