クリニックからのお知らせ

■今秋の風邪の流行
残暑が一段落して、急激に涼しくなり、風邪が流行し始めた。
一般的にいう風邪は「かぜ症候群」といい、呼吸器疾患では最も多い病気だ。
おおむね軽症だが、肺炎や慢性呼吸器疾患が急激に悪化する要因となる。
結核など重篤な疾患の初期症状とも紛らわしい場合があるなど、
気をつけなければならないポイントも多い。
かぜ症候群は急性カタル性上記道炎の総称で、鼻づまり、鼻汁が出る、
咽頭が赤くなる、熱が出るといった症状が中心。だいたい急性鼻炎や咽頭炎の段階で治る。
秋から冬にかけて多い。主に病原の感染が発症の原因だが、免疫力の低下、脱水疲労、
飲酒喫煙など、私たち自身に原因がある場合と、乾燥や寒冷など環境が大きな原因となって、
風邪を誘発する場合がある。風邪の病菌のおよそ80%異常がウイルス型だ。
その中でも鼻風邪などの原因となる「ライノウイルス」等が原因として多い。
しかしこの秋、「RSウイルス」が大流行の兆しを示している。ほとんどの場合、
患者から飛び散ったウイルスが、鼻から咽頭にかけて上気道の粘膜に付着、増殖して感染するが、
RSウイルスは咽頭から気管支にかけての下気道を侵しやすい。
成人は軽症で済むが、とくに乳幼児の場合は、
重症の細気管支炎や肺炎を起こすことが多いので注意が必要だ。
このほかでは「エンテロウイルス」が、喉が真っ赤になる「ヘルパンギーナ」
と呼ばれる疾患の要因となるほか、手足口病、眼感染、下痢や吐き気など
胃腸の症状を伴うこともある。一般的に診療所や病院では、風邪だからといって
いきなり血清中の抗体の量やウイルスの分離検査などはしない。
解熱鎮痛剤や消炎剤、せき止めなどで対処し、ほぼ3〜4日、長くても1週間で治癒する。
それでも治癒しない場合は、再度、医療機関へ行こう。下気道感染や細菌の二次感染のほか、
肺の実質感染(肺炎)へと移行している場合もあるからだ。
風邪をひいたら安静を保ち、保温や保湿に注意し、栄養補給や脱水症状に努めよう。

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