クリニックからのお知らせ

■肺結核の予防
かつて日本の主要な死亡原因だった結核は、診断法の確立、
治療薬の進歩と生活環境の改善で第二次大戦後から減少の
一途をたどり、今や私たちの意識の中では過去の疾病となっている。
しかし、近年、結核の感染は再び目立ってきた。
現代では死に至る病気ではないが、やはり発症すると半年単位で薬を
飲まなければならないし、周囲への感染の有無を調べるなど影響は大きい。
定期健康診断で見つかる場合は、けっこう進んだ症例が多いので注意が必要だ。
結核感染を疑うのは、まず風邪の初期症状に似ていて、
コンコンといった軽いせきやたんが2週間以上続く。
たんは子供は出づらいが、大人は多い。次に微熱が夕方になると出る。
寝汗をかくことも増える。また、体がだるくなり、無気力・全身の倦怠感が強い。
さらに胸に痛みを感じることもある。重い感じで肩こりも訴える。
進行すると血たんが出る。そして体重が減ってくる。
高齢者は特に体重が減少し、食欲が無くなる。
風邪との大きな違いは、症状が数週間続き、治まったかと思うとまた繰り返すことだ。
一般に風邪や気管支炎の治療をしても症状が改善されないと、結核かと疑い出す。
これらは一般の肺炎や気管支炎にも共通した症状で、
鑑別診断はコンピューター断層撮影装置(CT)検査や血液検査、
たんの細菌培養など医療機関での検査が必要だ。
秋の健康診断では、せきやたんが出る人は正確に医師に話そう。
たんは量や色などを詳しく、せきは一日中といった頻度と症状が続く期間を詳しく話してほしい。
最近は、カラオケマイクや密閉した空間などでの感染が広がっている。
感染後30%ぐらいの人が、5ヶ月から1年後に発症する潜伏期間の長い病気だ。
結核は、せきをしたときのしぶきに含まれた空気中を漂う結核菌を吸いこんでおこる肺の病気だ。
結核になった患者が排金していなければ、周囲の人に感染することはない。
部屋はもちろん、食器や肌着の消毒も不要。
患者が出た場合は保健所に連絡し、菌の量、せきの期間、薬剤感受性などを
細かく把握、患者との接触可能性を探り、周囲の人々を含めて定期健診
を受ければ過度の心配は不要だ。
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