クリニックからのお知らせ

■★マイコプラズマ肺炎★

1898年、ウシの伝染性胸膜炎から「マイコプラズマ」が発見された。
当初は大きなウイルスと考えられたが、最近の10分の1くらいの
大きさの極めて小さな自己増殖能力をもつ微生物であることがわかった。
単細胞生物で、細胞壁をもたない点で細菌とはことなる。
遺伝子も極端に少なく、かろうじて他の生物に寄生することが多いのが特徴。
こんなに弱いマイコプラズマが原因の肺炎が、この秋に流行の兆しだ。
マイコプラズマ肺炎は、学童から20歳代の青年が主に発症し、60歳以上の発症率は低い。
秋から春先にかけて、特定の地域や職場、学校などで流行する。
まれに季節を問わず散発的に発生することもあり、
異型肺炎の、40〜50%はマイコプラズマ肺炎だ。
空気が感染し、気管支上皮の綿毛細胞に付着して、気道障害を引き起こす。
頑固で長いせきが続いて、咽頭痛や鼻汁などの症状もあるのでやはり
風邪と勘違いされてしまう。たんは少なく、頭痛や関節痛、ときには下痢、嘔吐などの
消化器症状を伴うこともあり、38℃以上の高熱が出る場合とまったく熱が出ない場合がある。
診断は血液検査などでマイコプラズマ抗体を診断する。
「マクロライド」系の抗生物質がよく効き、せき止めと一緒に服用する。
この抗生物質の選択で、一般的な抗生物質とせき止めを服用しても治らなかった
患者さんも劇的に治る。成人でも去年マイコプラズマ肺炎にかかった人は、
今年も同じようなせきが出ていると同様の感染が疑われる。
風邪のような症状でも、そんな病歴のある人には、コンコンといった
細かい連続したせきが出ていたら、早めに血液検査を行うようにしている。
また、最初に投与する抗生物質は一般の風邪にもマイコプラズマにも両方に効果がある
種類を選んで、血液検査の結果を待たずに治療を開始する。
体力の増強が大切な病気なので、しっかり3食を食べるように指導する。
生活環境が原因でうつることが多いので、部屋の掃除や入浴を欠かさず、
十分な睡眠をとることなども守ってほしい。
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