クリニックからのお知らせ

■★冬の突然の死★
突然死のおよそ8割は心臓に原因があると言われ、冬になると特にその危険性が高まる。
心筋梗塞の患者が冬に増えることはよく知られている。
12月から翌2月まで冬の3ヵ月の発生件数は、6月からの3ヵ月と比べて、
確かに5割ほど多かった。特に高齢者の方が寒さの影響を受けやすいことがわかった。
65歳未満は心停止の危険性が冬に最大1.23倍上がったが、
65歳以上は1.85倍も上がっていた。
冬に突然死の危険性が高まるのは、寒さの刺激で血管が収縮するなどして
血圧が大きく変動するのが原因の一つと考えられている。
長年の間に血管の内側にたまったコレステロールなどの成分が、
血液の中に飛び出す。すると、それが「血栓」(血の塊)となって血流を塞いでしまう。
心臓の血管であれば心筋梗塞になり、脳だと脳卒中を引き起こす。
冬になると脳出血も多い。冬は運動不足で、しかも
塩分の多い料理やこってりした食事をとりがちなのも原因である。
予防には、生活習慣をみなおすとともに、冬は急激な気温の変化を避ける必要がある。
温かい家の中から外に出るときはもちろん、家の中でも油断できない。
風呂に入る前の脱衣場や、布団から抜け出していく夜のトイレは危険ゾーンとして知られている。
節電が求められるこの冬は、暖房を控えめにする過程が増えそうだ。
特に高齢者のいる家庭では便宜、気温が低い場所では暖房を使うことも考えてほしい。
もし経験のない激しい痛みを感じたら、一刻も早く病院で治療を受けることが必要だ。
カテーテルで血栓を吸い取るなどの治療法は進歩している。心筋梗塞では生きて
病院にたどり着けさえすれば95%の患者は命を助かるようになったという。
発症から2時間以内に治療を受けれれば、後遺症もかなり抑えられる。
脳卒中でも3時間以内であれば、血栓を溶かす特別な薬が使用できる場合がある。
ただし、女性は要注意。男性より痛みに我慢強い女性の場合、
病院に着くまでに2時間ほどの遅れが生じているという調査結果もある。
女性はもとより異常を訴えたら、すぐに救急車を呼ぶなど家族のサポートが求められる。
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