クリニックからのお知らせ

■★増加する逆流性食道炎★
QOL(生活の質)を低下させる代表的な症状に消化器系の不調がある。
食べたものが胃酸とともに食道に逆流する胃食道逆流症(GERD)は、
胸やけなど不快な症状をもたらす。
胃と食道の間には下部食道括約筋があり、胃酸などが胃から食道へ逆流するのを防いでいる。
GERDは加齢など、何らかの理由で下部食道括約筋の働きが鈍くなると起きる。
胃の粘膜(胃壁)は酸に強いが、食道壁はそれほど強くない。
胃の内容物が逆流すると胸やけや胃がもたれた感じがする。
胃や食道が傷んだり、ひどくなると食道に潰瘍やがんを生じたりする。
GERDには食道の内壁がただれるものとそうでないものがあるが、
ただれるものはテレビのコマーシャルなどで知られている「逆流性食道炎」と呼ばれるものだ。
逆流性食道炎に悩む人がどれだけいるか正確な統計はない。
胸やけなどひどい不快感を訴えて医療機関に来る人は増えている。
逆流性食道炎が増えた理由は3つある。第一はヘリコバクターピロリ、
通称ピロリ菌の保有率が減ったことだ。ピロリ菌は胃の中に生息するする
細菌で、自分の周りの胃酸を中和して強酸性状態の胃でも生きていける。
主に公衆衛生、生活環境が関係し、上下水道が普及した社会では少ないといわれる。
日本でも50歳代より上の人は保有率が60〜80%といわれるのに対して、
30歳代以下の人たちの保有率は10〜20%だ。ピロリ菌が少なくなると
相対的に胃酸が増え、逆流性食道炎がおきたという例がある。
2番目は食生活の欧米化が進んだことだ。
脂肪分の多い、脂っこい食事を続けていれば、消化のため胃酸の分泌も増える。
3つ目が肥満。太りすぎると胃が圧迫され、胃の圧力が増える。
このため逆流がおこりやすくなる。逆流性食道炎を防ぐには太らないことが肝要だ。

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