クリニックからのお知らせ

■★パーキンソン病解明進む★ ?
まだ分からないことが多いパーキンソン病だが研究の積み重ねで発症メカニズムは
少しずつ明らかになってきた。脳内にたんぱく質「αシヌクレイン」が何らかの理由でたまり、
この影響でドーパミンを出す神経細胞が死滅し発症するというのが今の主流
の考え方。家族性ではαシヌクレインを作る遺伝子など十数種類の原因伝子も報告されている。
一方、狐発性患者の多くで、健康な人と遺伝子のわずかな差があることが見つかっている。
狐発性は遺伝子のわずかな違いによる影響に、様々な環境要因が積み重なり、
一定レベルを超えると発症するのだろう、ただ現時点では、環境要因はよく分かっていない。
近年の研究で、パーキンソン病の主な症状の出る数年前から、
別の特徴的な症状が表れることが分かってきたからだ。
それは、においを感じられなくなる嗅覚障害と便秘、さらに寝ているときに
夢の内容に合わせて体が動いてしまう「レム睡眠行動障害」の3つである。
嗅覚障害が起こるのは、αシヌクレインたんぱく質が脳の嗅覚に関係する
部位の「嗅球」に最初にたまりやすいためだ。
また、αシヌクレインが腸管にたまると便秘を招きやすくなる。
レム睡眠行動障害は夢に合わせて大声を出したり手足を動かしたりする症状、
目覚めた後も夢の内容をはっきり覚えているのが特徴だ。
現在の一般的な治療は不足するドーパミンを補う薬「Lドーパ」やドーパミン
を受け取るたんぱく質に作用する薬を中心に、様々な補助薬を組み合わせる手法だ。
薬の副作用で症状の起伏が激しくなったり、薬が効きすぎて勝手に体が動いたり
する場合もあるが、専門医が薬の組み合わせを工夫すれば抑えられる。
手術で症状軽減を目指す治療もある。脳に電極を入れ、電気刺激で運動機能を改善する方法だ。
薬も電気刺激も対症療法にとどまっているが、早めに治療すれば、
通常の生活を長く保てるようになってきた。70代で発症し、
歩行障害などにとどまる患者なら10年は日常の生活を全うできる。
体の動きが何となくおかしいと思ったら、神経内科などを一度受信してみよう。

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