クリニックからのお知らせ

■★せき、長引けば重病の可能性★
せきは古くから「しわぶき」と呼ばれ、平安時代の源氏物語や枕草子にも言葉がでてくる。
子供のうちは別だが、年をとるにつれてしわぶき、つまりせきをすることが多くなる。
病気かなと思って医療機関にかかるきっかけで最も多いのがせきだ。
せきは気道中の分泌物や異物を排除する生体防御反応のひとつだ。
せきが3週間程度で治まる急性咳嗽(きゅうせいがいそう)と、
3~8週間続く遷延性咳嗽、8週間以上続く慢性咳嗽にわけられる。咳嗽とはせきのことだ。
このうち急性咳嗽が最も多い。統計によると、普通感冒、いわゆる風邪や
急性気管支炎など感染症によって起きる。日本では急性気管支炎を引き起こす微生物として、
マイコプラズマや肺炎クラミジア、百日ぜき菌、インフルエンザウイウスなどが知られている。
普通は抗生物質などを飲むことで、症状がよくなるケースが多い。
気をつけたいのは、せきが長引く遷延性咳嗽や慢性咳嗽だ。原因は感染症ではないことが多く、
全体の10%ほどがあるという。例えば慢性咳嗽の場合、せきぜんそくや慢性気管支炎など
重い病気が隠れている場合があり、注意が必要だ。せきとは関係なさそうな胃食道逆流症、
ACE阻害薬(降圧薬)の副作用が原因ということもある。
7~10日たっても、せきがおさまらなければ、遷延性咳嗽や慢性咳嗽を疑ってみて、
医療機関で受診することも必要だ。せきはさまざまな病気を広める原因となる。
せきと一緒に出る飛沫には病原体が含まれており、私たちは他人に迷惑をかけないように
マスクをすることが多い。感染防止の観点からはよい傾向だ。
作業中は息苦しいからと、マスクをずらして鼻を出したり、口を出したりする人もいる。
これではマスクをする意味がない。マスクをしてないときにせきをする場合、
手を当てて飛沫が拡散しないようにする人が多い。実はエチケットを守ること、
つまり他人に迷惑をかけないという配慮は公衆衛生上で意味がある。
もちろん、手を洗うのを忘れてはいけない。
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