クリニックからのお知らせ

■★体と菌の関係★
湿度の高い梅雨のシーズンは部屋や風呂場のカビ(菌類)が気になるが、
実は私たち人間の体も菌類とはきってもきれない関係にある。
私たちの皮膚や口の中、腸内など体の中には「常在菌」と呼ばれるたくさんの種類の菌があり、
健康に害を及ぼさない共生関係にある。さらに病原菌が増えるのを抑制するなど、
病気が発症するのを防ぐ自己免疫機能の面でも大きな役割を果たしていると言われている。
しかし、風邪をこじらせたりケガの治りが長引いたりして、長期間抗生物質を服用したときなどに、
もともと体内で健康を維持するために働いていたこうした菌が死に、
その代わりに抗生物質が効かない菌(真菌=カビ)などが一気にはびこり多数を占めてしまう
「菌交代現象」が起こることがある。さらにこうした菌が原因となり様々な感染症に至る「真菌類」
を引き起こすことになる。真菌類は、病気が起こる場所が皮膚などの表面にとどまる表在性真菌類と、
体の内臓に及ぶ深在性真菌症に大きく分かれる。こうした真菌症の多くは、
普段はおとなしい真菌が、免疫力の弱った体で発症する、いわゆる日和見感症だ。
代表的な真菌症のひとつがカンジダ症。体の中にもともとあり通常は
ほぼ害を及ぼすことがないとされる真菌(カンジダ)が感染症に発展する。発症場所は皮膚や口の中など
粘膜のある部分のほか、消化器や肺など、全身に及ぶことが知られている。
真菌症にはこのほかにも、枯れた植物や花瓶の水、土壌やほこりなどにいる真菌が空気中に放つ胞子を
吸入して発症するアスペルギス症などがある。菌交代減少や真菌症を防ぐには、治療の過程で
抗生物質や抗菌剤の投与をだらだら長期続けないことだ。医師の指示通り薬を飲み、
一方で必要以上に服用しないことを心掛けたい。ただ、もっと根本的な予防は、
日ごろから体の免疫機能を高めるように心がけることだ。
適度に体の清潔を保ち、しっかり食べる。部屋をきれいにして整理整頓して、
ゴミは捨てる。十分な睡眠をとり、ストレスをためない。そうした総合的に健康を維持、
増進できる生活習慣を続けることがなにより大切だ。
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