クリニックからのお知らせ

■★てんかん★
2002年施行の改正道路交通法で、てんかんの持病があっても一定の条件を
満たせば免許を取得できるようになった。5年間、発作が起こらず、
医師が今後も起こらないと診断した場合などだ。ただ、車の運転を仕事に
するための大型免許などは取得できない。てんかんは大脳の神経細胞が
過剰に興奮することで起きる。10歳くらいまでの子供に多いと思われがちだが、
近年では交通事故などによる頭部外傷、脳血管障害によって大人や高齢者にも増えている。
日本では、約100万人の患者がいるといわれている。発作は突然出てくることが多い。
反復して現れ、頻度は人によってさまざまだ。発作の症状も、手や顔の一部が
けいれんする程度から、全身の力が抜けて倒れたり、一時的に意識を失ったりと様々だが、ほとんどが軽い。
非常に特殊な例を除けば、短い期間で収まり、また命にかかわることはほとんどない。
実は、てんかんはコントロールすることが可能だ。近年、よい抗てんかん薬が登場し、
それを飲めば十分な人が多い。薬が効かない難治性のてんかん患者向けには手術もあり、
治療の幅は広がった。欧米に比べると遅れていたが、国内で手術できる施設も増えている。
てんかんの持病があっても治療すれば仕事に就ける。だから、患者は治療法に関する
知識を得るとともに、自己管理の意識をしっかり持つことが大切だ。
治療の効果を見極めたうえで、患者は自分が運転免許を持ってもよいかを
きちんと判断すべきだろう。同時に、社会の偏見の解消も急務だ。周囲の人による偏見や
プライバシー保護意識の薄さが、てんかんの持病があることを申告させる雰囲気を
拒んでいることもあるだろう。患者のQOLを向上させるためにも周囲の理解が欠かせない。
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