クリニックからのお知らせ

■★COPDに関して★
たばこなどが原因で発生し、ひどい息切れやせきが続く慢性閉塞性肺疾患(COPD)
の死者がじわりと増えている。昨年の死者は日本人の死因別9位の約1万6600人で、
10年前から約3割増加。禁煙による予防や早期発見による治療が求められる。
推定患者は全国で530万人に上るが、未診断や病気自体を知らない人も多く、
国は10年後の認知症を80%に引き上げる目標を掲げている。
COPDは、有害な化学物質や粉じんを長期にわたって吸い続けることで起きる
肺の機能低下や慢性炎症。酸素を交換する肺胞の破壊や気道の炎症などで、
たんなどの症状が表れ、重くなると激しい息切れや呼吸困難に陥る。
肺気腫や慢性気管支炎といった病気の総称だ。死者は増加傾向にある。
日本人の死因別で初めてトップ10入りした1999年は約1万3千人だったが、
2008年に1万5千人を突破。10、11年は順位が9位となり、死者数はいずれも1万6千人を上回った。
COPDの原因は9割がたばこ。禁煙者の2割が発症するとされる。
吸い始めて20〜30年後に発症する。日本人の喫煙率は減少傾向にあるが、10年に32%に下がったあ
男性は90年代前半まで5割を超える状態が続いていた。1割前後で横ばいが続く女性は、
たばこによる発症リスクが男性より高いとされる。高齢化の影響も含め、
今後も死者が増加するとみられる。最大の予防策は禁煙だ。たばこは肺の機能低下を
加速させるが、早くやめるほど発症リスクは低くなる。発症した場合は薬物療法で治療する。
息切れなどの症状が改善し、機能停下の抑制などに効果がある。早期に発見して
治療することが重要。病院で受けられる肺の機能検査を自治体の健診項目に追加してほしい。
課題は埋もれている患者が多いこと。調査では全国の推定患者数は約530万人。
だが、08年の厚生労働省の調査によると、病院で診断や治療を受けたとみられる患者数は
約17万3千人にとどまっている。国民の認知度は11年が25%で、診断が進まない要因となっている。
広報活動を強化していくことが必要だ。
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