クリニックからのお知らせ

■脳卒中は突然に
脳卒中は、以前は命をすぐに落とす病気だった。
いまは、命は救えるが、後遺症を残す患者が大幅に増えた。
脳卒中全体のうち脳梗塞が75%、脳出血18%、くも膜下出血7%と、
圧倒的に脳梗塞が多い。脳梗塞は1回起こすと、後遺症が軽くほぼ完治する人は約20%、
約75%は後遺症を持った生活になる。

脳卒中を疑う代表的な四つの症状は、まず片方の手足、顔半分のまひやしびれ。
次に、ろれつが回らない、言葉が出ない相手の言葉が理解できないなど。
大事なのは、これらの症状が、ある日突然現れることだ。
運動や言葉の障害などの症状が出ても24時間以内、多くは数分で元に戻ることがあるが、
脳梗塞の前触れとして非常に重要だ。発作の後、20〜40%が大きな発作を起こし、
24時間以内が5%、1ヵ月以内が12%などのデータも。症状が出たとき、すぐに専門医を受診し、
きちんと治療すれば防げる可能性が高い。

脳梗塞・脳卒中の危険因子は幾つかある。血圧が高いほど動脈硬化が進み、
脳卒中の危険性は高い。でも、血圧を下げる治療を続ければ、大雑把に言って
危険性は4割減るとのデータもある。

脳梗塞は、脳細胞が生きている数時間の間に血流を再開させれば助かる可能性がある。
2005年から血栓溶解の特効薬t-PAが使えるようになった。
直径約2?の非常に細いカテーテル(管)で血栓を引っ張ってとる新しい治療も去年からできるようになった。

脳梗塞は大体10人に1人は1年以内、2人に1人が10年以内に再発するので、再発予防も大切。
第一は血栓をサラサラにする薬で、脳梗塞のタイプによっても少し異なる。
頸動脈にコレステロールがたまってきた頸動脈狭窄は脳梗塞を起こしやすいが、
頸動脈を切ってコレステロールを取り除く手術やステント(金属製の網状の筒)で血栓を広げる手術も進んでいる。
脳卒中の正しい知識を学び、とっさのときに慌てず素早い行動をとることが大切。

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