クリニックからのお知らせ

■★大動脈瘤★ ?
治療は大動脈の瘤の部分を人工血管で置き換える手術が一般的だ。これは破裂の前後で変わらない。
腹部ではステントグラフトという器具を使う血管内治療が普及している。従来の腹や胸を開き
人工血管で置き換える手術と比べ、患者の負担が小さい。手術をしても一週間ほどで退院できる。
血管の形状などから適用しやすい腹部では手術の半数以上で使われている。
胸部大動脈瘤では利用は一部にとどまっているが、さらに適用範囲が広がり、
患者の多い胸部でもステントグラフトが使われる時代になる。
国立循環器病研究センターは年齢を目安に手術法を決めている。手術負担の大きい75歳超の
患者にはステントグラフトを使い、それ以下は通常の手術をする。日本は通常の手術でも成績がいい。
ステントグラフトを使う必要のない場合もある。国内では、急性でなければ胸部大動脈瘤の
開腹手術の死亡率は1%以下という。ステントグラフトは10年以上の長期の安定性を
示すデータがそろっていない。患者の半数ではステントグラフトを入れても瘤の大きさが変わらない。
入れたのに血液が漏れる場合などがあり、手術後に念入りに確認する必要があると注意を促す。
大動脈瘤は決め手となる予防法はなく、この病気のためだけに定期的にCT検査などを受けるのは
医学的証拠が不足しており推奨されない。ただ食生活や運動などに普段から気を配り、
動脈硬化の進行を遅らせればリスクを下げられる。反対に高血圧や高脂血症、たばこは
リスクを押し上げる要因だ。
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