クリニックからのお知らせ

■★急性すい炎★
腹痛には内臓痛、体性痛、関連痛がある。内臓痛は内臓を包む被膜などの伸縮や
炎症、壊死、組織圧の上昇からくるズキズキする痛みで、一般的に原因がはっきりしない。
体性痛は皮膚や皮下組織、筋肉、腹膜などの創傷や温度刺激、科学的刺激などによる
鋭い痛みで場所がはっきりしている。一方、脊髄神経節から自律神経に影響し、
原因の場所から離れた場所まで伝わる痛みが関連痛だ。特に強い腹痛には胃潰瘍や
腸閉塞、腎臓結石や尿管結石、急性虫垂炎、子宮外妊娠破裂、卵巣のう腫茎捻転
などがあり、その中でも急性膵炎は発作時にはじっと寝ていられないほどの激痛がある。
細菌感染を合併すると、死亡率は30〜40%と極めて高くなる。
急性膵炎になる原因は、アルコールの飲み過ぎと胆石症が多い。
男性はほとんどが飲酒由来で胆石症由来より3倍多く50歳代が多い。
逆に女性は70歳以上の胆石症が多い。治療は入院のうえ絶食させ、安静を保つ。
十分な輸液(点滴治療)を行い、痛みを取り除く処置をする。ただ、激しい腹痛の
持続が精神的不安をもたらし、呼吸障害まで起こすこともある。
特効薬の持続点滴や動脈への直接注入など、最近は多くの治療法が開発されているものの、
受け入れた医療機関は、容体安定まで予断を許さない。胆管炎の併発の有無が
勝負の分かれ目となる。こうした結果に至る可能性があるのを考えれば、
お酒はほどほどにということが大切である。

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