クリニックからのお知らせ

■★スポーツと心臓負担★
私たちの体の中にある臓器はどれも大切だ。なかでも心臓の重要性は誰もが知るところ。
心臓が止まった瞬間、私たちは臨終のときを迎える。この不思議な臓器は、正しいリズムで
一生働き続けて、私たちのすべてを支えている。気の弱い人を「ノミの心臓」と呼ぶが、
成人の心臓は誰でも握りこぶしほどの大きさだ。一般的に動物の心臓は大きさに比例すると言われ、
象やクジラなどは人間よりもはるかに大きい。一方で体重に対する心臓の重さの割合はスズメなど
鳥類が最も大きく、哺乳類、爬虫類と続く。下等動物ほど、この割合が小さいといわれていて、
恐竜も大きな体に対して意外と心臓は小さかったとみられている。心臓はポンプ作用で酸素と
栄養素をたっぷり含んだ血液を全身に送り届け、不要な二酸化炭素と老廃物を回収してきた血液を
運ぶ大切な仕事を担当している。正常な心臓は、一定のリズムで心房と心室が連動して、
成人の安静時の場合、毎日約70回収縮と弛緩を繰り返し、1回の心拍動で約60mlの血液を送り出す。
心臓は常に体の変化に応じて適切に動く。その機能は、心臓に分布する自律神経によって支配され、
互いにバランスを取って働くこの二本の手綱で調整される。体は血液中の化学変化などから
体の状態を感知し、延髄の循環中枢を経て心臓に指令を出す。これを受け、心臓の右心房付近にあって
収縮のリズムを刻む役割をしている洞結節や、心房と心室の間にある房室結節、さらに末端の心筋へ
働け働けと指令が伝わり、心臓は昼夜を問わず働き続けることになる。運動すれば、交感神経が刺激されて
心拍数が上がり、ポンプ作用も活発になる。しかし、運動習慣のない人が急に激しい運動をすると
心臓に負担がかかる。この秋から体を動かしてみようという人は、まず深呼吸をして体に酸素をたっぷり送り、
周囲の景色や仲間との会話を楽しめる程度の強度からはじめるべきであろう。
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