クリニックからのお知らせ

■★強皮症★
全身の皮膚や内臓、血管が硬くなる難病が「全身性強皮症」だ。
省略して「強皮症」ということが多い。膠原病の一つで、免疫反応に異常が起き、
皮膚などのコラーゲン(膠原線維)が過剰になって硬化が進む。
発症から5〜6年の間に急激に硬くなる「びまん型」(重症型)と、
硬化が遅い「限局型」(軽症型)がある。患者は約6千人だが、診断がついていない人が
数倍いるとみられる。9割が女性で、多くは30歳〜50歳代で発症する。
症状は手の指から始まることが多い。ソーセージのように腫れたり、低温になると
指が白く変色してしびれる「レイノー現象」が起きたりする。やがて皮膚が硬くなって
指がこわばる。硬化は手から腕、胸、腹へと広がり、青黒く色素が沈着することもある。
食道が硬くなると逆流性食道炎が起き、肺の組織が硬くなると間質性肺炎になる。
血管が硬くなると血行不良になり、指先がただれたり、「強皮症腎」という障害が
腎臓に起きて急激に高血圧が進んだりする。筋肉の炎症を伴うことも多い。
力が入らず全身がだるくなり、日常生活の支障になる。これらの症状に応じて、
さまざま薬を長くのむことになる。強皮症を完治させる薬はない。
しかし「重症型」のうち、発症初期で硬化がまさに進んでいる患者では、ステロイドに
効果があることがわかってきた。強皮症に特有な「自己抗体」が何種類かあり、
重症型と軽症型とでは種類が違う。血液検査で抗体を詳しく調べれば、
ステロイドが効くかどうかを判定できる。厚生労働省の研究班などが2年前に策定した
診療ガイドラインに、ステロイドを使う症状や量の目安が書かれている。
また、肺や腎臓、血管の症状も、なるべく早く治療を始めれば重症化を食い止められる。

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