クリニックからのお知らせ

■★快適に眠るためには★ ?
快適に眠るにはまず、睡眠に関する誤解をなくし、正しい知識を身につけることが大切だ。
誤解が原因で質の悪い睡眠や不眠に陥る恐れがあり、場合によっては慢性疾患や死亡の
リスクを高めることもあるだけに、見過ごせない。代表的なのが「健康のためには
1日8時間眠る必要がある」という説。多くの人が一度は耳にしたことがあるだろう。
かつては8時間が適正な睡眠時間と考えられていたが、種々の学術研究の結果、
化学的根拠がないことが明らかになっている。睡眠時間と死亡リスクに関する大規模調査の
結果によると、調査期間中の死亡率が最も低かったのは男女とも、平日の睡眠時間が
7時間(6・5時間〜7・4時間)の人だった。米国での大規模調査でも、7時間睡眠の
人の死亡率が最も低かった。統計的に、睡眠が7時間の人の方が8時間や6時間の人よりも長生きし、
健康被害リスクが低いことは知っておきたいデータだ。だからといって「7時間睡眠がよい」
とは言い切れないことが難しいところだ。適正な睡眠時間は個人差が大きく、体格や体質、
体調、加齢によって変わってくる。結論は人それぞれで、自分が昼間にいきいきと
生活できるような長さの睡眠時間を自分で見つけるしかない。睡眠に関するもう一つの誤解は
「健康や美容のためには夜中の0時より前に、または0時をはさんで眠るのが望ましい」という説。
しかし、これも科学的根拠はない。成長ホルモンは「入眠直後の熱睡期(健康な成人の場合、
寝入ってから1〜2時間後)にまとめて分泌される」ことがわかっており、何時に寝ると多くでるか
という時刻の問題とは関係ない。成長ホルモンは加齢とともに分泌量が減るので、
その確保には深い睡眠を安定的にとることが肝要だ。

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