クリニックからのお知らせ

■★変わる出生前診断★ ?
日本の出生前診断は、1970年代に始まりました。妊婦のおなかに針を刺し、
胎児が浮いている子宮内の液体「羊水」の一部を摂ります。羊水の中には胎児の
皮膚からはがれ落ちた細胞も含まれているので、それを培養し増やせば、
胎児の染色体数の異常などが調べられるというわけです。ただし、子宮に針を刺すため、
300人に1人は流産する恐れがあります。精度は100%近いため、より安全な他の出生前診断で
異常のの疑いが強いとされた人が、診断を確定させるために受けることが多い検査です。
80年代以降、侵襲性のない超音波(エコー)検査が急速に普及し、解析能力も向上しました。
エコー検査で妊娠10〜14週目ぐらいの胎児の首の後ろに腫れがみつかると、染色体異常などの
可能性が高いということもわかってきました。ただ、エコー検査だけでは、染色体異常の
可能性がどれくらいかという確率しかわかりません。90年代に広まった「血清マーカー検査」は、
妊婦の血液中にある特定のホルモンなどたんぱく質の量を調べます。この検査でも染色体異常などの
確率がわかります。ただやはり確率しかわからないため、確定診断には羊水検査など侵襲性の
高い検査が必要でした。これまで侵襲性と精度は両立し難かったのですが、妊婦の血液検査だけで、
しかも精度の高い「NIPT」という新たな検査が注目されています。「無侵襲的出生前遺伝子検査」
の略です。NIPTで調べるのは妊婦の血液中にあるDNAの断片です。細胞が死んで分解すると、
DNAも断片となって細胞の核から外へと出てきます。妊婦自身のものだけでなく、胎児のDNAも
1割程度は交じっています。検査では妊婦と胎児のDNAを区別せず、DNA断片が23種類(男性は24種類)
ある染色体の、どれ由来のものかを調べます。血液中に含まれるDNA断片の比率は各染色体ごとに
目安があり、それより量が多かったり少なかったりすると、染色体異常が起きている可能性が
高いということです。
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