クリニックからのお知らせ

■★突然死食い止めるAED★
働き盛りの30歳代の人を襲う突然死。その原因の多くは心臓の停止によるものだ。
サッカーや野球、マラソンなどの運動中に起きるほか、家庭や公共の場で倒れる人も多い。
心臓停止事故が発生した場合、救急車が来るまでの応急処置が回復のカギを握る。
そこで、重要になるのが心肺蘇生法である。2010年、救急医療などに携わる医師などが
集まる日本蘇生協議会がガイドラインをまとめ、心肺蘇生法の手順が変わった。
それまでは、酸素を送る気道確保、人工呼吸、心臓マッサージ、電気ショックや薬を使って
心臓の機能を回復させる除細動という流れだった。これが最初に心臓マッサージをし、
次に気道確保、さらに人工呼吸、最後に除細動をするという順番になった。新しいガイドラインでは、
一般の人が救命処置にあたる場合、気道確保と人工呼吸は省いてもよくなった。自動体外式除細動器(AED)
を使うか、心臓マサージをする。人工呼吸を不要にしたのは、口と口をつけるのをいやがるひとが多いことに
配慮したものだ。そもそも、心肺蘇生法を知らない人が救命処置に当たる時は心臓マッサージだけで十分という
専門家はいる。救急車が来るまで心臓マッサージを続けた方が救命確率が高くなるというデータもある。
心臓マッサージは1分間に100回のペースで、胸の真ん中を5??以上を押すことを繰り返せばよい。
近くにAEDがあれば、それを使う。厚生労働省の研究班の調査によると、2011年12月時点で国内には
38万台あまりのAEDが設置されている。公共施設などに設置され一般の人が使用できる台数は30万台近くある。
最近では、マンションなど集合住宅にも設置され始めた。ただ1台が30万円ほどと高価なため、
家庭への普及は欧米に比べると遅れている。AEDがあるだけで、救命率が上がるわけではない。
今は音声で案内してくれる機種もあるが、扱い方を知っておくことが大切だ。さらに、心臓マッサージなどを知り、
心肺蘇生法を身につけたい。学校の授業や講習会も広がり始めた。こうした催しに積極的に出席することが、
突然死を防ぐ一番の近道になるかもしれない。
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