クリニックからのお知らせ

■★胃がん、腹腔鏡手術が浸透★ ?
胃がんは年間12万人近くが発症し、がんの中で患者数が最も多い。
初期であれば内視鏡を使って治療でき、5年生存率は100%に近い。
内視鏡で切除できないケースでも体の負担が少ない腹腔(ふくくう)鏡手術を選択する病院が増えている。
胃がんは胃の粘膜から発生し、5層からなる胃壁の深部へと進行する。表面の粘膜にとどまっている
初期の症状はリンパ節やほかの臓器に転移している可能性が低く、開腹せずに内視鏡で治療できる。
学会の治療ガイドラインによると、「大きさが2?以内」「潰瘍がない」などの条件を満たした場合が対象。
内視鏡を使った治療には2つの方法がある。患部の下に生理食塩水を注入して腫瘍を浮かせ、
ワイヤをひっかけて高周波電流で焼切る「EMR」と、腫瘍の周囲と下部にナイフを入れて剥離する「ESD」だ。
ESDはEMRよりも診断範囲を確実に切除するので取り残しが少ない。その分、時間がかかり出血もしやすいため、
高い技術が必要。2?以上の粘膜がんのほか、潰瘍のあるがんでも、3?以内であれば内視鏡で切除することもある。
重要なのは、がんの大きさよりも深さ。といい、ガイドラインの適応を超える病変ででも、粘膜がんと判断すれば
内視鏡で治療する。そのためには正確な診断が不可欠で、同センターは特殊な波長の光で精密にがんの範囲を
検査できる内視鏡を導入している。ただ機器の性能の過信は禁物だ。診断力は医師の経験によるところが大きい。
施設の診断力を測るには、内視鏡治療の年間症例数が一つの目安になる。粘膜の下層に到達している
早期がんや進行がんでは、胃を切除する外科手術が必要になる。腹部に開けた小さい穴からカメラや器具を
入れる腹腔鏡手術は開腹する場合よりも体への負担が小さく、件数が伸びている。
早期がんを対象とした腹腔鏡手術は臨床研究として実施されている。
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