クリニックからのお知らせ

■★薬剤性潰瘍★
体調を保つのに欠かせない薬の中には、胃腸を荒らしやすいものがあります。血液が固まるのを防ぐ薬や、
痛み止めの薬には特に注意が必要です。脳梗塞の再発予防に、低用量のアスピリンが広く使われている。
解熱などに使われ、アスピリンには低用量だと血栓ができるのを防ぐ働きもあり、
心筋梗塞の予防目的でも処方されている。別の薬も出てきているが、アスピリンは実績から今も重要な薬という。
病気をきっかけに一生飲み続けると粘膜がただれて潰瘍を引き起こす危険がつきまとう。
小腸に潰瘍が見つかる例も増えている。こうした消化性潰瘍を放っておくと出血し胃や腸の壁に穴が開いてしまうおそれもある。
関節リウマチといった病気の痛み止め目的で、整形外科などでよく処方される「NSAID」(非ステロイド性抗炎症薬)
と呼ばれるタイプの薬も同様だ。アスピリンもこの一種に含まれる。低用量アスピリンの服用者の5〜6%、
NSAIDで15%程度が消化性潰瘍になっているという。消化性潰瘍による死亡者は年間3千〜4千人。
その大部分が薬が原因とみられている。かといって、薬をやめて血栓ができたり、痛みが出たりするのも困る。
効用と危険性を総合的に考えてつきあわないといけない薬である。予防のために一緒に潰瘍薬を飲むことも大事です。
やっかいなのは、薬の効き目のせいで症状を自覚しにくいことだ。一般に、潰瘍ができると特に空腹時に痛みを感じるが、
薬の作用で痛みを感じにくい。アスピリンを飲んでいる人がいったん出血すると止まりにくく、
突然の吐血など重い症状になって初めて気づくことも多いという。階段を上ったときに動悸や息切れを感じたりした場合は、
出血が疑われます。微量の出血が続いて貧血になっている可能性があるからだ。血のような便や、黒くどろっとした
便が出ていないかにもきをつけたい。変化を見逃さないためにも、潰瘍を起こす可能性のある薬を飲んでいると
意識することが大切だ。便や血液の検査を定期的に受ければ、兆候をつかみやすい。潰瘍の治療には通常8週間ほどかかる。
再発予防に、胃酸の分泌を抑えるプロトンポンプ阻害薬などの薬を使うこともある。
治まっても、こうした薬を自己判断でやめてはいけない。
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