クリニックからのお知らせ

■★お酒に強い思いこみ禁物★ ?

口から入ったアルコールは約2割が胃から、約8割が小腸から吸収され、血液によって肝臓に送られる。
肝臓ではアルコールを2段階で分解する。まずはアルコール脱水素酵素(ADH)で、毒性のあるアセトアルデヒドに、
次にアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH2)で無害な酢酸になり、体外に排出される。ALDH2は3タイプがあり、
遺伝子の組み合わせで、この酵素の働き具合が決まる。日本人の4割はALDH2の働きが弱く、お酒を飲むと悪酔いや
頭痛などを起こしやすい。1割はほとんど働かず、酒が飲めない下戸となる。白人や黒人に比べ、酒に弱いのはこのためだ。
しかし、酒に強いタイプだからといって安心して大酒を飲むのは禁物。自分は酒に強いから大丈夫だと思ってる人こそ、
肝臓悪くする可能性がある。高いと大量の酒が飲めるが、肝臓でアルコールが分解される際に中性脂肪が蓄積し、
肝臓障害が起きやすくなるからだ。毎日、日本酒3合以上を5年以上飲み続けると脂肪肝に、5合以上を10年以上
飲み続けると肝硬変になりやすい。日本酒は1合はビールなら中瓶約1本に相当する。「酒は百薬の長」といわれるように、
程よく飲めば、ストレス発散や心筋梗塞のリスク低下など健康によい影響をもたらす。厚生労働省が飲酒量と死亡リスクの
関係をまとめた調査でも、酒を飲まない人の全死亡率を1とした場合、「2日に1合程度飲む人」が約0・7と最も低かった。
ただ、それより飲む量が増えるに従い、リスクも高まる。全く飲まない人が無理して飲酒するのはよくない。
どの程度が適量なのか。全く飲まない人と同程度のリスクになる1日2合までを目安にあげる。注意しなければいけないのは、
適量には個人差が多く、この量ならば安全とは言い切れない。男性より体が小さい女性の適量はこれより小さくなる。

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