クリニックからのお知らせ

■★甲状腺機能低下症★

のど仏の下にあるハート形の臓器が甲状腺。ここで作られるホルモンが不足する「甲状腺機能低下症」は、
うつ病や認知症などの他の病気と間違われることもあるので注意が必要です。甲状腺ホルモンは、
全身の新陳代謝を活発にする働きがあり、不足するとさまざまな症状が出る。体がだるい、何もする気にならずに
家で一日中じっとしている、物忘れが激しくなる、などのようなうつ病や認知症とよく似た症状が出ることも少なくない。
本当は甲状腺機能低下症だったのに、うつ病や認知症と間違って診断された。こうした患者を診断したことがある。
何種類も抗うつ剤を飲んだが、症状は改善しないため、精神科病院に数か月入院していたというケースもあった。
甲状腺ホルモンの不足は脂質の代謝や肝臓の働きも低下させる。そのため、血中コレステロールの値が高く
2年間も高脂血症の治療を受けていた患者や、肝臓病の疑いで肝臓に針を刺す検査を受ける直前だった患者が、
実は甲状腺機能低下症だったということもある。これらの患者に甲状腺ホルモン薬を処方したら、
2週間〜2ヵ月ほどで肝機能やコレステロール値が正常に戻ったり、元気が出て活動的になったりしたという。
甲状腺機能低下症は、体がだるい、気力がなくなるなど、本人にとってつらい症状が起こる病気。
特徴的な症状が無いので、他の病気に間違われることが多い。でも、ひとたび診断がつけば治療は簡単なので、
ぜひ早く見つけて早く診断を受けてほしい。検査は血液中の甲状腺ホルモン濃度を調べる。甲状腺機能低下症なら、
すぐに診断がつく。鏡で自分の首を見て、下の方が腫れていたら甲状腺機能低下症化もしれない。
甲状腺が腫れて大きくなることが多いからだ。原因の大半は「橋本病」だ。自己免疫疾患の一種で、自分の免疫細胞が
甲状腺の細胞を攻撃してしまう。それ以外では、がんや不整脈の治療薬が原因となる場合や、脳腫瘍などで起こることもある。
治療は、甲状腺ホルモン薬を飲む。ホルモンの不足の程度にもよるが、通常なら1日1回、1錠飲めばいい。
薬の効果は体内から比較的長時間消えないため、1日くらい飲み忘れても問題はないという。
甲状腺機能低下症の予備軍は意外と多い。
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