クリニックからのお知らせ

■★インフルウイルスの脅威★ ?
鳥インフルエンザウイルスH7N9型の人への感染が中国でじわじわと拡大し、
大流行するかどうか予断できない状況が続く。人類とインフルエンザウイルスとは長い闘いの歴史がある。
近年、バイオ技術の進展でウイルスの正体や感染する仕組みが次第に明らかになりつつあるが、
この「しかたたかなウイルス」を制圧するのは難しいと専門家はみる。最大の特徴は伝播力にある。
H1N1型やH2N2型など型の違うウイルスが世界各地に伝播しそれを繰り返す、これが他のウイルスとの大きな違いだという。
細菌やウイルスが原因で発症する感染症、人から人への感染が容易だと、世界的な大流行を起こす。これが「パンデミック」だ。
インフルエンザウイルスによる20世紀最初のパンデミックが1918年のスペイン風邪で、
世界で2000万〜4000万人の死者が出たといわれている。その後も57年のアジア風邪、
68年の香港風邪、そして2009年に発症した新型インフレンザが大流行した。
インフルエンザはこれまで、数十年の周期でパンデミックを引き起こしてきたとの説がある。
確認はできていないが、古代ギリシャの時代からインフルエンザの流行に悩まされてきたと伝えられており、
人類とインフルエンザは長い付き合いを続けているようだ。インフルエンザには大きくA型、B型、C型に
分かれるが、たくさんの人に感染して被害をもたらすのはA型だ。B型C型に比べて、遺伝子が頻繁に
変異するためとみられている。A型ウイルスには細胞表面にあるたんぱく質のヘマグルチニン(HA)が16種類、
酸素のノイラミニダーゼ(NA)が9種類ある。HとNの組み合わせで、H1N1からH16N9まで
144種類の型がある。だれでも一度感染すれば、タイプに合わせて体内で免疫ができる。
このため一般的に同じ型のウイルスに感染することは少ない。しかしインフルエンザウイルスはHAやNAを
つくる遺伝子をこまめに変えるため、体の中にできた抗体の効果がほとんどなくなってしまう。
今回のH7N9型ははじめて人への感染が確認された新たな形だが、09年の新型インフルエンザは
H1N1型で、スペイン風邪と同じ型だった。にもかかわららず大流行したのは、遺伝子の配列をわずかに変えて
人の細胞に感染しやすくなったからだ。
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