クリニックからのお知らせ

■★進化する内視鏡★
欧米で使える医療器が日本では承認が得られておらず、治療に用いることができない。
デバイスラグと呼ばれ、日本の医療が抱える課題の一つだ。最近は新薬の承認が遅れる
ドラッグアラグとともに、世間に広く知られるようになった。感染症の予防用ワクチンでも
ラグがいわれている。ひとくちにデバイスラグといっても様々だ。一般にデバイスラグは
体に埋め込んで使う機器に多い。人工股関節や血管用ステントなどが一例だ。
一方、体に埋め込まない機器ではあまりみられない。むしろこの分野は日本のメーカーが
強い競争力を持っている。その典型が内視鏡だ。もともと胃カメラとも呼ばれていたが
今では胃のほかに、食道、十二指腸、小腸、大腸、膵臓、胆のうなど様々な機器を
観察するのに用いている。内視鏡は19世紀に欧州で開発された。本体は金属製の筒状タイプで、
当初は尿道や直腸、食道の上部を見るのがせいぜいだったが、やがて胃の観察にも使われるようになった。
日本では柔らかい管を使い、カメラで撮影するタイプが1950年に開発された。現在では
テレビモニターをみながら消化管の奥の方まで観察できるよう進化してきた。以前は内視鏡のスコープが太く
検査では苦しい思いをした人もいただろうが、現在では直径が5?程度と細くなっている。
検査を受ける人の負担や抵抗感を減らすため、口からではなく鼻からスコープを入れるタイプや錠剤のように
口から飲み込んで腸内を写すカプセルタイプも登場している。また、診るだけでなく細胞を一部取ったり、
小さな腫瘍を切除したりする機能を持つ製品も増えている。中高年に多い大腸がんなどのは定期的に
内視鏡検査を受けたりして、健康の維持に役立ててほしい。
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