クリニックからのお知らせ

■★慢性腎臓病★
慢性腎臓病(CKD)という病気がある。腎臓の異常を早期発見するために提案された
新しい病気の考え方だ。患者は国内に約1300万人と推定され、「新たな国民病」とも呼ばれる。
日本腎臓学会は、重症の慢性腎不全まで進まないよう、糖尿病が持病の人らに早めの受診を呼びかけている。
ある日突然、透析が必要な末路の腎不全とわかることもある、そんなことがないように、
と10年前に米国で提案され、国内にも広がってきた考え方だからだ。CKDかどうかは、大雑把にいうと、
腎機能を示す糸球体濾過量(GFR)と呼ばれる数値で見る。健康診断などで測る「血清クレアチニン」という
値と性別、年齢から計算できる。数値は大きいほど正常に近く、小さいほど腎不全に近い。
60未満の状態が3か月以上続いたりすると、CKDと判断される。尿たんぱくがわずかに見つかった段階で、
腎臓が大きなダメージを受けていることが多い。新しいガイドは、GFRに加え、糖尿病の進行を示す
尿アルブミン定量や、尿たんぱくの程度によって専門医を受診する必要があるかどうかを示している。
若い人は進行が早いので、早めに専門医を受診してほしい。進行する前に健康診断などに注目し、
危険度を調査することが大切。進行を防ぐには減塩や禁煙、酒を飲み過ぎない、肥満の解消(BMI25未満)
などが有効という。CKDの患者では、心臓カテーテルの検査や、がんの診断のためのCT検査などで
ヨード造影剤を使う時には、注意が必要だ。造影剤を使うと血流が減り、血中の老廃物の量が増えて
腎臓に負担がかかり、CKDの悪化につながるからだ。だが必要な検査をしないとデメリットもある。
調査によると、造影剤を使う心臓カテーテル検査をしなかったCKD患者は、検査をした患者より
生命予後が悪かった。造影剤の使用には注意が必要だが、高度な先進医療には欠かせない。
適切に予防すれば多くの造影剤腎症は回避、軽減できると知ってほしい。
Topページに戻る