クリニックからのお知らせ

■★高血圧★
日本では血圧を下げる薬を飲んでいる人が60代で3人に1人、70歳以上では2人に1人います。これだけ身近な薬ですが、うまく効いてない人もいるようです。血圧の薬を飲んでいるのに、うまく血圧が下がらないという相談がよくあります。薬の種類を変えて下がる人がいます。同じ血圧といっても、ギュウギュウ型とパンパン型、両方の混合型がある。型に合った薬を使うといい。ギュウギュウ型は血管が収縮して狭くなり、血圧が高くなるタイプの高血圧。例えて言えば、水まきのホースをぎゅっと絞ると水が勢いよく飛び出る感じだ。パンパン型は血管内の水分量が増えて血管の内側から加わる圧力が増すタイプ。風船に水がいっぱい入ってふくれ、内側が強く圧迫されるような状態だ。ギュウギュウ型の原因として、アンジオテンシン?という血管を収縮させる物質の働きがある。国内でよく使われる高血圧治療薬アンジオテンシン?受容体拮抗薬(ARB)はこの働きを打ち消す働きがある。血管を収縮しにくくすることで血圧を下げる。パンパン型は、塩分をとりすぎになった血液を水で薄めようとしていると考えられる。減塩など食生活の改善が効果的だ。薬を使うなら、余分な塩分や水分を体の外に出すような利尿薬になる。日本人の高齢者にはパンパン型多いとみられる。若い時にギュウギュウ型だったのが年齢を重ねてパンパン型になる、あるいは両方の混合型ということもある。このほか、カルシウム拮抗薬もよく使われる。血管の壁にある平滑筋の細胞に働き、血管を広げて血圧を下げる。ギュウギュウ、パンパン両型に対応できる。最近、高血圧治療薬ディオバンの臨床研究論文で不正があったことが判明して問題になっている。論文ではディオバンは他の薬と比べて脳卒中や狭心症などを防ぐ効果が高いとしていたが、根拠が崩れた。ディオバンはARBの一種だ。血圧を昼夜持続的にきちんと下げることが重要。薬の選択は医師と相談してほしい。

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