クリニックからのお知らせ

■★糖尿病の治療について★
2型と呼ばれる通常の糖尿病の治療の基は体重管理と食事、運動である。
これで血糖値の管理がうまくいかない場合は薬の出番となる。血糖値を下げる薬には
飲み薬と注射があるが、まず飲み薬について紹介する。糖尿病で鍵になるのは、
血糖値を下げるホルモンのインスリンだ。インスリンはすい臓で内分泌をつかさどる
ランゲルハンス島のβ細胞で作られ、血液中に分泌される。血液の流れに乗って体内を巡り、
肝臓や骨格筋など全身の臓器で効果を表す。2型糖尿病ではこのインスリンが必要量だけ適切な
タイミングで分泌されない。また、多くの場合、インスリンの効き目も弱まっているという
背景がある。両者が組み合わさって、インスリンがきちんと働かないのだ。糖尿病の飲み薬には
いくつか効き方の違いがある。まず、インスリンの分泌を促す薬は、血糖値が低いと作用を
発揮しないタイプと、低くてもインスリンを分泌させてしまうタイプがある。後者では低血糖の
副作用が起きるが、この種類の薬剤は比較的長く使われているものが多く、医師の使用経験も豊富だ。
インスリンの効果を出やすくするための薬もある。これは主に肝臓と骨格筋で働くタイプと、
インスリンの効き目の悪さの元である肥大した脂肪の細胞から新しいものへ置き換えるタイプに
分けられる。前者も長く使われており、効果や安全性のデータが豊富だ。2型糖尿病では、
食事で血糖値が上がりかけたときにインスリンが速やかに分泌されない。そこで小腸に作用して
炭水化物の吸収を遅らせる薬もある。食前に内服してブドウ糖の吸収を遅らせ、このギャップを埋める
インスリンの効き目をよくする薬と小腸に作用する薬はいずれもそれ自体では低血糖を起こさない。
腎臓や肝臓の機能が下がっていると使えない薬もある。高齢者ではこれらが通常は低下しているので、
低血糖などの副作用に注意が必要だ。自分が飲んでいる薬の内容は、調剤薬局などが発行する
お薬手帳で把握しておきたい。糖尿病の薬は長く内服するものだ。心臓病や発がんなどについて
長期的に観察して、蓄積したデータを次世代に伝えていく必要がある。
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