クリニックからのお知らせ

■★偏るご飯の食べ方★
先ごろ日本の食生活が「WASHOKU」としてユネスコの世界無形文化遺産に
登録されたと報道があった。飯と汁にお菜三品が添えられた一汁三菜と呼ぶ
一食の料理構成と形式を、日常的に庶民が伝承しているという点が評価されたようだ。
日本の食卓が国際社会で注目を浴びるのは喜ばしいが、個々の食生活を見ると、
朝食を抜き、まな板や包丁を持たない単身者が外食と持ち帰り食品で過ごすケースも多い。
いま一度、一汁三菜の内容を再認識することもこれからの日本の食生活の課題だろう。
中でも「飯」に相当する主食の摂取方法やその適正量は、かなり大まかな目安でしか
例示できない。糖尿病治療のために開く食事講座などでは、
主食のエネルギー量や重量に制限を設けているため、食パンやうどん、ご飯の分量を
はかりにかけて確認する。自宅で使う茶わんやメーカーが特定されている食パンなどは
一度測れば摂取量の数値化とカロリー算出は容易だ。ところが、市販の弁当や外食で
ぎっしりと詰められたご飯の大盛り、普通盛りなどは見た目だけでは重量特定が困難だ。
食事をしながら自身の満腹感と満足度にそって調整するしかないだろう。
おかずでおなかが満たされれば主食を控えるという食べ方。糖質(炭水化物)制限をすれば
健康に寄与するとの情報をよりどころに主食を抜く食事法。
漬物やめんたいこがあればご飯がいくらでも食べられてしまうという満腹思考。
また、食欲のわかない猛暑にはそうめんばかりという食生活で低栄養素を招いた例など、
適切でない主食のとりかたが日々の栄養管理の陰の主役になってしまっている。
ここ10年、主食に相当する米、小麦およびそれらの加工品や雑穀などの国民1人当たりの
摂取量は微増減。その間も長寿の国であり続けていることを考えると、今の平均的な
主食料が適正量に近いのかもしれない。毎回の食事で極端に増減させるのではなく、
毎食きちんと主食を食べることが鍵なんだろう。炊飯器に付属する1合のカップ1杯、
150グラムの精白米は、炊き上がると約350グラムのご飯となり、そのエネルギーは
534キロカロリー。研ぐ米の量とご飯の関係も知っておいてほしい。
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