クリニックからのお知らせ

■★糖尿病をコントロールする指標★
過去2ヶ月くらいまでの血糖値のあらましを反映する平均の指標が、
ヘモグロビンエーワンシー(HbA1c)だ。その目標値は、低血糖の
起きやすさなども配慮して治療中の患者は7.0以下だが、薬剤の副用などなしに
血糖値の正常化を目指せる場合は6.2%以下とする。
血液中の脂質も血糖値に劣らず重要だ。脂質にはコレステロールと中性脂肪があり
コレステロールには総量を示す総コレステロールや、善玉と言われるHDLコレステロールがある。
最近では総コレステロールからHDLコレステロールを引いたnon(ノン)-HDLコレステロールが、
動脈硬化による心筋梗塞などの疾患の危険性を表す指標として優れていることが分かってきた。
この値は医師からの検査結果に書いてなくても引き算をすれば簡単に求められる。
採血が食前でも食後でも同じように算出できる。コレステロールは検査ごとの
変動が通常20〜30程度にとどまるが、これに対して中性脂肪は数値の動きが大きく、
食生活などで50以上変わることも少なくない。小さな変化はそれほど気にしなく
てよい。中性脂肪の動きも組み入れた指標がnon-HDLコレステロールで、
悪玉全体を表すと考えられる。健康な人の目標値、性別や年齢などに応じて
190または170未満だが、糖尿病だと150未満となる。心筋梗塞や狭心症があれば
130未満とさらに厳しく設定される。コレステロールは、数値そのものではなく、
内服している薬剤などが、動脈硬化で起きる心筋梗塞などの疾患のリスクに
関係しているのではないかという考え方もあり、米国ではちょうど新しい指針が
発表された。日本では今のところは先に述べた数値が一つの目安だ。糖尿病では
血糖値、脂質、血圧をいずれもよく保つことが重要で、体重管理と禁煙も大切だ。
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