クリニックからのお知らせ

■★糖尿病による尿たんぱくに注意★
糖尿病では尿を検査する。主な項目はケトン体、たんぱく、ブドウ糖だ。
それぞれ尿中の濃度で判定され、健康な人では普通はどれも検出されないため。
ケトン体は脂肪が分解された材料から肝臓で作られ、血液中に出てくる。
この物質が尿に排泄された尿ケトン体を測る。血液中のケトン体を直接測定
できないわけでもないが、時間と手間がかかるため、通常まず尿で調べる。
糖尿病では血糖値を下げるホルモンのインスリンの作用が不足する。
著しく低下すると脂肪の分解量が増え、尿でケトン体が検出されるようになる。
糖尿病の状態が良くない証だ。ただ食事療法でエネルギーを制限した結果、
体内の脂肪が使われるケースなどでも脂肪分解で尿にケトン体が少量現れる
ことがある。糖尿病には「細小血管症」と呼ぶ特有の合併症がある。
腎臓の障害はその一つだ。尿にたんぱくが漏れ出るようになったりするが、
最初は少量だ。検査でこれを早めに発見して対策を立てることが重要だ。
尿たんぱくが陽性になる前でも尿の「アルブミン」という物質を測れば、
わずかな進行を見つけられる。ときどき実施するとよい。糖尿尿は血糖値が
高くなる病気だが、尿糖(尿中のブドウ糖)は大半の患者で陰性だ。
検出されるのは血糖値が通常1デシリットルあたり160〜200??より高い
場合だ。この値は若い人で低く、高年齢で高い傾向があり、個人差も
非常に大きい。尿糖は膀胱にたまった尿のブドウ糖の濃度を見るので、
前回の排尿との時間関係の中で血糖値の動きを考えて解釈することが必要だ。
また、血糖値が高くなくても尿糖が出現する「腎性糖尿」と呼ぶ状態もあり、
注意を要する。日本でも近く尿糖を増やすことによって血糖値を下げる薬が
用いられるようになる。いわば人工的に腎性糖尿を起こすわけで、この薬を
飲んでいるときは血糖値が低くても尿糖が出ることがある。尿検査では
たんぱくとケトン体が重要で、尿糖は血糖値を検査していれば、これらほど
ではないといえる。
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