クリニックからのお知らせ
■貧血
●貧血とは
貧血とは、赤血球中の血色素であるヘモグロビンの濃度が低下した状態をいいます。
ヘモグロビンは体内に酸素を運搬する働きをするため、貧血になると全身へ十分酸素が
行き渡らなくなります。
ヘモグロビンのおよその基準値は、男性:13〜17g/dL 女性:11〜15g/dLですが、貧血は赤血球、
ヘマトクリット値などと合わせて総合的に診断されます。
[貧血の種類]
鉄欠乏性貧血:貧血といえばほとんどがこれ。鉄の不足により、ヘモグロビンの
産生が低下しておこる。女性に多くみられる。
再生不良性貧血:骨髄の造血幹細胞機能不全により血液が産生できなくなって起こる貧血。
巨赤芽球性貧血:ビタミンB12または葉酸の不足により、
赤血球が形成される前段階の赤芽球の増殖に異常をきたして起こる貧血。
溶血性貧血:赤血球の破壊によって起こる貧血。
*立ち続けていて気分が悪くなり、ずーっと血の気の引いたり目の前が暗くなる”貧血”は、
俗に脳貧血ともいわれるもので、ここでいう貧血とは違います。
●原因は
貧血のほとんどは、鉄欠乏症貧血です。体内で鉄が不足する原因は、
偏食やダイエットなどによる鉄の摂取不良
成長や妊娠・授乳などによる鉄の必要量の増加
胃切除や、胃酸分泌低下などによる鉄の吸収低下
月経過多、潰瘍、痔などの出血による鉄の排泄増加
などですが、からだのどこかで異常が起きているために貧血になっている場合もあります。
貧血がみつかったら、原因を明らかにすることが大切です。
貧血で最も多い鉄欠乏性貧血の場合、治療は鉄剤の服用と食事療法が中心です。